創作①
その夜、私は涙が止まらなかった。いつかは来ると分かっていた別れ、ここ最近薄々感じてはいたけれど信じたくなかった別れだった。
こんな無愛想な返信、もう分かっちゃうよねー
自嘲気味に友達に話したのを思い出す。あぁ、そんな無理に励まさなくたって大丈夫だよ。きっとあなたは話を聞いていたんだね?いっそのこと言ってくれたらいいのに。
そんなことを思いながら、その別れにけりをつけた。
なんで夏休みに学校に行って、小テストを受けなきゃならないんだよ、とイライラしながら自転車を漕ぐ。1学期に実施されたまとめテストに合格できなかった私は、3日間かけて行われる小テストの補講に出席することが決まっていた。
振られて心が疲弊しているのに構わず、毎日ある部活に補講。なんで私はこんなんなんだろう、と落ち込んだ。
でもその補講にはクラスの大半がいた。1学期の終業式ぶりに会えたことに気分が上がる。みんなで仲良く話しているときに、特になんとも思ってなかった男子に笑いかけられた。はたからみれば、笑いが起きたときにただ目があっていただけ。それでも、そんな小さなことでも、疲れ切った私の心に小さな風を吹かせるには十分すぎる出来事だった。
そこから連絡の取り方を忘れた。それは言い過ぎか?と思うが実際忘れたのだ。友達とは連絡が取れるのに、その人に対してどんな連絡をすればいいのかわからなくなった。今まで毎日何気なく話していたのにね、不思議な話。
学校が始まった。9月とはいえまだまだ暑い。クーラーがガンガンに効いている教室で毎日7時間授業をこなす。補講で目があったその時から、私の心は落ち着かなかった。同じ教室にいるあの人に、心が落ち着かなかった。
でも必死に抑えた。家に帰って1人になってしまえば、1人でスマホを開いてメッセージの受信欄を見てしまえば、思い出すのは冷たい態度を取ってこられても好きだったあの人だから。